
シナリオ
- 関係者以外閲覧禁止 -
■注意事項
●このページは応募者様限定公開ページです。
事務所所属の方が出演許可を得るためにマネージャーさん等に見せる目的以外、親族含めて第三者に公開を禁止いたします(個別のケースの対応はきりがないため一律禁止)。
●内容は細部変更の可能性があります。
●Nはナレーションです。
●脚本を読むときはセリフばかり読まないで、「画」を想像してください。
● ☓ ☓ ☓ は同じ場所のシーンの中で別の区切りです。
●「・・・」は表情を撮っていると考えてください。
●衣装・小道具は可能な範囲で自前のものをお貸しいただきたいと思います。破損等の場合は弁償しますので高額なものはお貸しいただかなくて結構です。
シワがついたからクリーニングに出したい等の場合は、1度だけ2000円まで支給します(撮影日ごとではなくトータル期間でです)。
■応募につきまして
「製作概要」の内容を承諾し、台本を読んだうえで出演希望の場合は、以下の事をご記載、原則1週間以内に全身とお顔の写真合計2枚添付のうえ、starcirclingrailway@gmail.com までご一報ください。
出演をご希望されない場合はお返事不要です。
記入漏れや添付忘れなどは充分ご注意ください。
送信後、こちらから4日たっても返事がない場合は、迷惑メールフォルダなど様々なフォルダをご確認のうえ、お手数ですが再度のお問い合わせ(システムの問題で返信できないこともあるので、返信用に別のアドレスも添えてください)または別のアドレスからご連絡ください。
登場人物は年齢や特性など参加者の個性を反映させて、変える可能性があります。
●応募用記載事項
※件名は「最初にお問い合わせいただいたときの【映画出演の件】」そのままで大丈夫です(こちらで変えることもありますが、基本的に応募者様は何もしなくて大丈夫です)。
以下が記載事項です
↓
・お名前(ふりがな):
・生年月日(西暦):
・好きな映画3つ:
・趣味(映画・読書・音楽鑑賞以外):
・目指している俳優(いれば)
・特技、資格(あれば):
・現時点でわかっている埋まっているスケジュール(あれば):
・話せる外国語(日常会話レベルでも)や方言(あれば):
・出演歴や演技を学んだ場所(あれば):
・事務所など所属先(あれば):
・12月8日までの中で、希望のオーディション日時を3つご提示ください:時間は1時間ほど。幅がある場合は15時~19時のように記載してください。方法はオンラインになります。
・ご質問など(「会ったときに聞こう」ではなくて事前に何でもお問い合わせください):
※その他:ご自身でお持ちの宣伝素材などがあれば、別途添付していただいても大丈夫です。
・演じたい役を下記よりお選びください(複数可、作品名と名前をコピペしてください)
↓
①宇宙姉妹 From Here to Eternity
・富田希星(とみたあかり)
・富田星有望(とみたあゆみ)
②海にて王様は星になりたがる Dear innocent world
・草木美奈(くさきみな)
・岡田恵梨香(おかだえりか)
③多元な彼女 Becomig who i was
・宮島百合子(みやじまゆりこ)
④星を売るもの POCKETFUL OF STARS
・大島志帆(おおしましほ)
・笠原みどり(かさはらみどり)
⑤星の終わりとハードボイルドネバーランド We wanna be there
・太田宮子(おおたみやこ)
・ティック・タム・チー
以下がシナリオです↓
✨宇宙姉妹
●S1 黒い画面
ラジオのチューニング音。
ラジオの声「日本政府は、すでに実行された火星移住者が3000万人を超えたと発表しました。しかし、対象者の選別方法があまりに一方的であると、人権団体から批判があがっており・・・」
●S2 河川敷の堤防の上
大きなヘッドホンをして、大きなリュックを背負って、歩いているあゆみ。
轟音がして足をとめて横を向く。
ロケットが宇宙へ発射される。
ロケットの軌道を目で追うあゆみ。
うっすらと輝く星。
正面を向いて再びあるき出すあゆみ。
あかりN「輝いている星の光は昔のもので、ずっと長い距離を、時間をかけて届くのだと、父は幼い私達に教えてくれた。あるいはもう死んでしまった星の光もあるという。『宇宙は真っ暗だからすぐ道に迷う。だから困らないようにお星様たちは光りを届けて、道を教えてくれたり、転ばないように足元を照らしてくれる。自分のためではなく、誰かのために』なかなかうまいことを言う父親だった。そこにはもうないのに、なんでそんなことをするのかと妹が尋ねると、いつかわかる、と父は言った。そしてその父はもういない」
タイトル『宇宙姉妹 From Here to Eternity』
●S3 自販機前
小銭を入れてジュースを買うあかり。勢い良く一気飲みする。飲み終えてもう一本買おうとすると出てこない。腕組みをして思案して横をキョロキョロし、水道の蛇口を発見してニヤリと笑う。
●S4 木陰
仰向けに寝転がっているあゆみ。
あゆみ「疲れたー」
あかり「はい(あゆみの横に立って飲み物を渡す、横に座る)」
あゆみ「おお!(上体を起こして飲み物を口にするあかり、吐き出す)ぬる!何これ水とちがうん!?(においをかぐ)」
あかり「売り切れやったんよー(自分も飲む)」
あゆみ「ちょっと!おねぇの飲んでるそれは何!?」
あかり「最後の一本」
あゆみ「よこせー!(奪いとって飲む)ふあー」
✕ ✕ ✕
あかり「がめつい身内がおると苦労するわ」
あゆみ「ほー、じゃあおねぇにこれはいらんわね(「遺言状」と書かれた大きな袋をあゆみの顔の前に突き出す)」
あかり「おとんのごっつい遺産!いただきー(飛びつこうとするがあゆみが手を引っ込めるで勢い余ってこける)」
あゆみ「あわてんなって、お楽しみはゆっくりとね・・・」
あゆみが箱を開けると古いおもちゃやノートが出てくる。
あかり「なんやねんこれ、うわなにこれ気持ち悪!(ノートをひろげるとびっしりと「ごめんなさい」と書いてある)」
あゆみ「あー!それおねぇの貯金箱ガメたのおとーちゃんにバレて『ごめんなさい』ってノート一冊書かされたやつやん!なつかしい・・・あ、(渡す)ほんますいませんでした」
あかり「・・・(受けとって)いやいらんし!え?何それ?知らん!つかお前やったんか!?」
あゆみ「あ、このマジックペン(あかりの顔の前に突き出す)」
あかり「あ?」
あゆみ「これはおねぇがはじめのメイクで失敗して、まゆげ全部剃り落としたときに上から眉毛書いた時に使ったものではないしょうか!?」
あかり「ちょっとあんた!それ思い出したらあかんやつやで!」
あゆみ「しかも眉毛繋がってなー、油性やでなかなか落ちひんかった!(笑い転げる)」
あかり「あ、これ!ブラジルの地図!あんたがブラジル行くとか言うて勝手に公園に穴掘って水道管破裂させて町内全部水不足にさしたときのやつやない!ヘッタクソな字であゆみて名前書いてある」
あゆみ「かわいい字やなぁ。夢があっていいでないの。あ!手紙が!」
あかり「遺言状!?」
あかりはあゆみに駆け寄って、手紙をひったっくて読む。
それをあゆみがまた奪う→父親Nの箇所のあいだこの繰り返し
父親N「愛しい娘達へ。この遺言状を読むころにはおとーちゃんはもう死んどるやろ。だからいっぱい泣いて悲しんでくれ。なんなら死体は火葬やのうて家の庭に埋めてくれてもええしな。そしたら毎晩化けて出たるさかい。それはさておき、お宝探しはどうやった?いろんな思い出に再会できたやろ。そのひとつひとつがお父ちゃんにとって宝物です。ふたりとも『好きなことやってるんだからほっといて』なんて言われて、ホントにほったらかしにしてごめんな。もっとグイグイいけばよかったとおとうちゃんは思います。旅はさせても帰ってこさせなあかん。というように起きたことは変えられん、でも気がつくことはできる。これからは2人で仲ようやっていくんやで。大人になると、いろんなしがらみもあるけど、恥ずかしい自分をさらけだせる相手がいることは素晴らしいことなんやから。そういうことができる家族は宝物です。というわけで2人が期待しとるであろう現金・有価証券・不動産・貴金属などの残せるものはありません。お互いを宝物と思って、これからは仲良くやっていってください。おとうちゃんはこれから星になって2人の道を照らします。おしまい」
最終的に二人で読んでいる。
あかり「なんやねんおしまいて!ジブリか!?」
あかりが手紙に気を取られているときに、あゆみは古い写真を見つける。
あゆみ「おねえ、これ(写真をあかりに見せる)」
写真には幼いあかりとあゆみが父と三人で写っている。
あゆみ「へんな髪型・・・」
あかり「お父ちゃんに切ってもらっててん・・・ほんとおかしいな」
笑いながら泣き出すあゆみ、あかりはあゆみの肩を抱き、自分も泣き出す。
轟音が響いてロケットが発射される。
●S5 河川敷の堤防画の上
川に向かって正面を向いて並んで立っている二人。
あゆみ「(上を向いて)世界中どこ行ってもつながれるとおもっとったけど、さすがに宇宙はきつそうやな」
あかり「・・・wifiもなさそうやしな・・・(あゆみを見て)なぁ、あんたの代わりにあたしが行こか?家族やったら代わってもええんやろ?」
あゆみ「もう決めてん、今いかんと一生このままやし。あたし、行動力ないけーさー、誰かにせっつかれんと、なんもできんのよ」
あかり「・・・」
あゆみ「・・・」
あかり「がんばりや」
あゆみ「大丈夫や、(見上げて)おとうちゃんが道を照らしてくれとるけぇさ」
あかり「(小さくうなずいて)・・・」
あゆみ「・・・おねぇも、元気でな・・・いくわ」
歩き出すあゆみ。
あゆみの後ろ姿を見つめるあかり。
振り返って、逆方向にあるき出すあかり。
二人の頭上には星が薄っすらと輝いている。
了
✨海にて王様は星になりたがる
●S1 電車の中
喪服を着てぼんやりと前を見ている恵梨香。
目線を上げると海が見える。
恵梨香N「海はいつもそこにある。
●S2 砂浜
立って海の彼方を見つめている美奈。
美奈「バカヤロー!」
■タイトル『海にて王様は星になりたがる Dear innocent world』
●S3 駅
駅から出て、道を歩く恵梨香。
●S4 道
落ちている空き缶に足を止め、見つめる。
恵梨香の声「あの、買ってきたけど」
■タイトル『半年前』
●S5 砂浜(回想)
美奈「買ってきましただろ!あたしを誰だと思ってんだ!王様だぞ!」
恵梨香「は・・・コ、コーラでございます王様(頭を下げて両手でコーラを差し出す)」
美奈「(手にとって)うむ、苦しゅうないぞ、では15年ぶりに病院抜けだしてのコーラを・・・(飲んだコーラがを吐き出す)うえっ!ひさしぶりの炭酸やべぇ!やべぇやべぇ!」
恵梨香になすりつけようと迫るので、逃げる恵梨香。
✕ ✕ ✕
砂浜に腰掛けて美奈の足をもむ恵梨香。
美奈「15年ぶりに走ったから足がいてぇよ。しっかりもめよ、筋肉痛になっちまうだろ」
無視する恵梨香。
美奈「(恵梨香の頭に手をおいて、顔を美奈の方へ向かせ)よく聞けよ、15年っていったらちょっとしたもんだよ、お前ごとき胃腸炎と比べたら月とスッポンだよ。5歳だったアタシが本日もう立派にハタチの大人だ。しかもそんじゅそこらのハタチじゃないぜ?カラマーゾフの兄弟を5回も読んで、あのろくでなしの兄弟の名前を全部言えるんだ、そんな二十歳がどこにいる?痛ったい!もうちょっと優しくもめ!」
ツボを押す恵梨香。
美奈「ぎゃあああ」
✕ ✕ ✕
美奈の肩を揉んでいる恵梨香。
美奈「もちろん酒もタバコもやっていい。でもやった瞬間即死だろうけどな」
恵梨香「・・・王様におかれましては太く短くがお似合いです」
美奈「うむ、わしはお前のそういう都会的センスが好きだ。毎朝朝ドラで現実逃避するところから1日を始める大馬鹿者と違って、『とにかく生きろ!』とか『生きてればきっといいことがある!』とか底の浅いことを言わんところが良いぞ」
恵梨香「・・・」
美奈「だからさ都会人、アタシが死んだら、あたしの灰を海にまいてくれ。だって墓なんかに入ったらえらいことだぞ、なんだかよくわかんない先祖と一緒にされて、宇宙が終わるまでパチンコと高校生で時間の止まった連中の思い出話を聞かされる・・・考えただけでゲロはいちゃうよ。あたしは死んだら素粒子になって、そんで星になる。知ってっか?人も星も構成物質は同じなんだぞ?あ、お前にはこの話難しいか?(ケラケラ笑う)」
神妙な顔つきで話を聞いている恵梨香、真顔でツボを再び押す。
美奈「ぎゃあああ」
●S6 道~砂浜
歩いてくると砂浜に出る恵梨香。そのまま砂浜の方に歩いていく。
遠くに通る船、足を止めてその船をみつめる恵梨香。
美奈の声「(花火のゴミを拾って投げながら)病室からいつもこの海を見てた。あの船はどこから来たのか、どこへ行くのか。どこへもいけないあたしを乗せていってほしい・・・」
●S7 砂浜(回想)
美奈「なんてありきたりなこと考えるかよ!じゃあなんて考えてたと思う?」
砂浜を歩いている美奈と恵梨香。恵梨香は海をスマホのカメラで撮っている。
恵梨香「・・・沈没しろ!」
美奈「おま、性格わりーなーお前、沈没ってお前、お前!お前おもしれーな!今まで病院で出会ったヤツの中で一番おもしれーよ!そんで性格わりーよ!」
恵梨香「嬉しくないんだけど」
笑う美奈と恵梨香。
美奈「よし、写真家を夢見るものよ!王様が君に最初の仕事をあげよう」
恵梨香「え?」
美奈「そいつであたしの遺影を撮ってくれ」
恵梨香「・・・遺影って」
美奈「今のあたしはきっといい顔してると思う。知ってる?プラシーボ効果」
恵梨香「・・・思い込み効果、だっけ」
美奈「なんだよ知ってんじゃん!・・・お前は明日退院だろ、今日が最後だ」
恵梨香「お見舞い、来るよ」
美奈「そういうのはいい、悲しいを通り越して腹が立つ。そんな嘘は100億人から聞かされてんだ」
恵梨香「王様、地球の人口はそんなにいませんよ」
美奈「うるさい!冷静に突っ込むな、さっさと撮れ」
✕ ✕ ✕
カメラを構える恵梨香、一度無表情になってから微笑む美奈。
美奈「あ、ちょっと待って!やっぱ動画にしよう!言いたいことがあるんだ!」
恵梨香「え?」
美奈「早く撮れよ!」
ムービーに切り替える恵梨香。
美奈「(スマホに向かって)おい!神とかいうやつに言いたいことがある、あたしは昨日まで全然いつ死んでもいいと思ってた。なのに今は生きたいと思ってる。なんでこんな楽しいやつをあたしところに送ってきやがったんだ!決心が鈍るじゃないか!人の心を弄んで楽しいのか!ふざけんなバカヤロー!アタシが死んで天国へ行ったら、いやきっと地獄だろうけど、鬼たちと一緒に本物の鬼ごっこしたりして地獄をすげー楽しくして、地獄の機能を麻痺させてやる。天国に行ったらお花畑に火をつけて、綺麗な川には毒を流して天使たちを皆殺しにしてやる!上から目線で好き勝手やってんじゃねー!死にたいやつを生かしたり、生きたいやつを殺したり、人間はテメーのおもちゃじゃねーんだよ(泣き出してしゃがみこむ)」
恵梨香は美奈に近づく、恵梨香は美奈の肩をだこうとするが美奈は拒否する。
恵梨香は無理やり美奈の肩をつかんで抱き寄せる。
泣き続ける美奈、恵梨香も泣く。
波が静かに打ち寄せる。
●S8 砂浜
恵梨香は波打ち際まで歩いてきて、カバンから白い缶を取り出して、少し灰を手の上に出す(風から守るために少し握った形)。
手を上げて手を開くと砂が風に舞う。
空に舞う灰を見つめる美奈。
美奈の声「おーい!お前ホントに性格わりーなー!」
美奈の方に振り向いて笑う恵梨香。
美奈が笑顔でコーラを2本持って歩いてくる。
美奈「人の葬式勝手にやんじゃねーよ!しんじらんねー」
恵梨香「あ、王様、遺影が出来ました(遺影を渡す)」
美奈「(受け取って)信んじらんねー、ここでまでやるかフツー」
恵梨香「いただいた仕事はきちんとやりとげます」
遺影をやぶく美奈。
美奈「へん!ぜってー死なねー、生きてやるぞ!お、ほら、報酬だ」
恵梨香「ありがとうございます!(と言ってのみぐちを菜美に向けて飛び出した中身をかける)」
美奈「てめー!このやろー」
逃げる恵梨香、追いかける菜美。
笑う2人。
エンドロール
了
✨多元な彼女
●S1 行きかう人々(イメージカット)
百合子N「毎日大勢の人とすれ違う。その中に未来の自分がいるかもしれない。だから私は世界をよく見る。少しでもマシな未来を見たいから」
●S2 東京駅
駅の中を走っている百合子。
百合子「この世界にはたくさんの時間軸があるらしい。例えばご飯のとき卵焼きを食べる宇宙と目玉焼きを食べる宇宙。選んだことによって未来が変わる、それがまたどんどん分かれて分かれていって、選んだ道のぶんだけ世界が生まれる・・・ってこと?
難しい理屈はともかく、もっと身近な心の問題の話をしよう。そう、どこでどんな道を選んでも必ず生まれるもの。それは『後悔』だ。
あのときこうしておけばよかった!あっちを選んでおけば良かった!誰でも一度は考えるでしょ?そしてもしできることならやり直してみたい!ってね。でもたいていの人はいいわけして行動しない。パレートの法則によると、100人いたら、実際に行動するのは25人。4人に一人。つまり、動き出すだけで価値がある!素晴らしい!
何が素晴らしいかって?ワタシは過去を変えるために動き出しているからだ!あ、実際は過去じゃなくて現在、そして未来。過去を変えればいろいろ変わる。映画なんかじゃよくあるけど、人類はついにこの禁断の魔法を手に入れた!
とはいえ、チャンスは多くはない。物事は慎重にすすめないといけない。とか言ってる私がさっきから走っているのは、過去を変えるチャンスに遅刻しそうだからだ。もしこの性格を直したかったら、生まれる前に遺伝子情報を書き換えるしかないのかも。でもそんなの自分って言えるのかな?」
■タイトル『多元な彼女 becomig who i was』
●S3誰もいないカフェにおそるそるゆっくりと入る百合子。
●S4 イメージカット 夜の東京の時計
●S5 カフェ内
カウンター椅子に座って、手を組んで考え込む百合子。カウンターにつっぷす百合子。首だけ右に向けて時計を見る。
百合子N「またやっちまった。全速力で走ってきたのに、2時間も間違えた。こういうおっちょこちょいなところが、私の人生を悪くしてると思う。え?じゃあ過去を変えても性格を変えないかぎり、人生は良くならないってこと?」
上体を起こして、ジャケットの内ポケットから拳銃を取り出して、体の正面に持ってきて銃口を見つめ、正面に銃を構えて打つマネをする百合子(銃口は左→右→真ん中)。
銃口の煙を吹き消す仕草。
カフェ内を見渡して退室。
●S6 花やしき
いろいろな乗り物にのって時間をつぶす百合子。
百合子N「10年前、あの場所で人生が変わった。あそこでプロポーズを受けて結婚しなかったら、、、そう考えない日はない。そりゃ、安定した生活が当然ほしかったけど、お金があれば幸せっていう考えは浅はかだった。モラハラ・義実家の干渉・親戚づきあい近所付き合い、、、おまけに役所は公務員にしてはありえない懲戒免職、つまりクビ!しかも理由が痴漢なんてもうありえない!しかも痴漢した理由を嫁の努力不足とかってあたしのせいにするかー!?ざけんじゃねー義実家のカスども!と、何度もこなしてきた脳内殺人も今日で最後。自分で始めたことなんだから、自分で終わらせる。そしてまた新しく、自分ではじめてみせる」
●S7 イメージカット 夜の東京じゅうの時計
●S8 カフェ内 ※このシーンでは過去の百合子とBの姿は見せない
物陰に隠れている百合子。
時計の秒針が動く。
階段を登ってくる足音。
ドアが開く。
百合子の心臓の音が響く。
過去百合子「あれ、誰もいない?」
B男「貸し切った。カウンター座って」
過去百合子「うん」
☓ ☓ ☓
カウンターに座っている過去百合子、その正面に立っているB。
B男「では、シェフのきまぐれディナーを」
過去百合子「えーなにこれ!?お子様ランチ?」
B男「お子様ディナー?じゃない?」
過去百合子「どうしたの?」
B男「どうしたのって・・・ずっと食べたいって言ってたじゃん。でも頼むの恥ずかしいって。だから作ったんだよ、ここ借りて、朝から仕込んでさー」
過去百合子「朝から?」
B男「うん、ほら、スゲーきっちゃった」
過去百合子「・・・じゃあ、いただきます、うっ!(ウインナーを吐き出す)」
B男「おい!食べてすぐ吐き出すなよ!マンガかよ!」
過去百合子「だってしょっぱすぎなんだもん、、、絶対塩振りすぎだって」
B男「そこは我慢して飲み込むのが愛ってもんでしょ!」
過去百合子「じゃあ自分で食べてみてよ」
B男「う・・・そんな話聞いちゃうとちょっと」
過去百合子「(B男の手をとって)じゃあ、あたしがおいしいやつ作ってあげるよ、毎日」
B男「え?あ、うん」
過去百合子「結婚しよ」
B男「え?あ、うん」
過去百合子「ちょっと、リアクションおんなじなんですけど。お子様ランチもプロポーズも一緒なの?」
B男「・・・後悔しない?」
過去百合子「やってもないのにそんなのわかるわけないじゃん?」
百合子N「忘れてた。プロポーズはされたんじゃなくてしたんだった。受け身じゃなくて自分で選んだ道だったんだ。それがうまくいかなかったからってなかったことにしちゃう?あのときの自分を否定する?捨てる?」
拳銃を見つめる百合子。握りしめ、過去の二人の方を見る。
また正面を向いて、カバンに銃をしまう。
●S9 太陽が昇り、光に包まれる街。
●S10 東京駅前の広場
歩いている百合子。
百合子N「大事なことをもうひとつ忘れてた。もし別の道を選んでも、後悔はしなかっただろうか?
それに、今の人生が不幸かなんてもっと先に行ってみないとわかんないんじゃないか?
少なくとも、あのプロポーズの瞬間は、わたしにとってかけがいのない時間だった。
この先もし、あたしがいい人生だと思えたら、あの瞬間はもちろん、きっと今の自分すら愛しく思えるはず。自分で始めたことなんだから、自分で終わらせる。そしてまた新しく、自分ではじめてみせる」
立ち止まり、空を見上げ、また正面を向いて、走り出す百合子。
了
✨星を売るもの
●S1 行きかう人々(イメージカット)
志帆
↓
目の開ける 3秒
首を上げる 3秒
右を向く 3秒
左を向く
また正面向いて上を見上げる
●S2 東京駅構内
歩いている志帆。
※「契約とるぞ!」という意気込みを加えた怖い表情
志帆N「(歩きながら)地球に生命が生まれる確率は10の4万乗分の1。それはプールの中に腕時計の部品を投げ込んで、水の流れだけで時計が組み立てられるのと同じくらいの確立らしい。それは奇跡。でもどんな奇跡も形にしなければ何もないのと同じだ。そんな奇跡がないのか、あたしは注意深く周りをよく見る。少しでもマシな未来を生きたいから」
①各路線の集合口から中央口の通路
②中央口→改札→外へ出ていく(入り口出たら左へ歩いていって待っている)
●S3 カフェ前
顔を右に向けて店を探しながら、カフェの前まで歩いて来て、立ち止まる(5秒)。
首だけ看板(上)に向けて店名確認、正面向いて(5秒)、右方向に歩きだして入店。
■タイトル『星を売るもの POCKETFUL OF STARS』
●S4 イメージカット
●S5 カフェ内
志帆はテーブルに座っている、カバンを右に置いて、中から、チラシを出してテーブルに置く(全部置き方決めておく)。
チラシの文字には『素敵な移住ライフを応援します!新しい世界に飛び出そう!限定特価土星系第99惑星J・F・セバスチャン星 今だけ50%OFF!』
志帆N「(カバンをあさりながら)あたしの仕事は”星売り”。誰のものでもないものを、勝手に使っていいよと許可を与えるってゆー神様に怒られそうなしょーもない仕事。流されてこんな仕事をしているアタシはよけいに怒られそう。でも神様、(このあたりで腕時計を見てため息)こんな時間まで残業代もでないのに会社のいいなりに働いている私を、どうかおおめにみてください。ついでにいい転職先もお与えください・・・っと(この「っとのあたりでノートとペンを出して置く」)」
卑屈な笑いで顔を上げて、3秒数えて『ふぅ』と一息。店を見回す(5秒:右→左→右→正面)。
●S6 イメージカット
●S7 カフェ内
視線はまっすぐ。右ひじをストレッチ(3秒)。次に左ひじに組み替える(3秒)。次は肩のツボを痛がる表情(3秒)。前かがみになり目線をテーブルの上のチラシに。
※ストレッチのやり方は任せる
志帆N「(ストレッチしながらチラシに書いてある文字を黙読)『宇宙で暮らす。チャンスと冒険がいっぱい。ステキな希望の土地へどうぞ!(ここまでチラシの文言)』・・・何がステキかどうかは個人の感覚による。っていう会社の方針があるから、ホントは毎晩隕石が落ちてくるような星でもあたしたちは売る。一般的にはひどい話・・・でも住んでみたらステキかもしれないし、新しい世界には変わりない。そう、結局住んでみないとわからないのだ。(上を見上げて)ってか今月はノルマが厳しいので、めっちゃ値引きしをしても今日はどうしてもこの星を売らないといけない・・・(ストレッチをやめて、チラシを両手にとって見つめ)ホントは自分が住みたかったこの星を!(くやしさを表現する変顔)ってか半額って安っ!いいなぁー(チラシに顔を近づけて)この値段っ!(上を向く)タンホイザー・ゲートのオーロラよく見れんだよぁ」
●S8 道
歩いてくるみどり。目線は店、店の前で立ち止まり、正面向いて大きく鼻で息をして、看板(上のあたり)を見つめ、また正面向いて(立ち止まってからここまで約10秒)、入店。
※「契約とるぞ!」という意気込みを加えた怖い表情
志帆N「(みどりが歩いている映像にかぶせる)性格で職業が決まってくる。めんどくさがりのあたしには、変化は要らない。それでも最近、そんな自分を変えたくなるのは、流れる時間が確実に自分の身体に影響を与えているからだ。地球の重力は約9.81mメートル毎秒毎秒。その重さに魂と人生を縛られている。宇宙に行ったら、心も軽くなるだろうか?だったら行ってみたい、そう思い続けてそれなりに時間がたってしまった。行きたいときには自分の足で歩けなくなってるかも」
●S9
右手で左腕の付け根をもんだり、グルグル回したりストレッチをする志帆(10秒)。
※ストレッチのやり方は任せる
みどりの声「ギャア!」
志帆はストレッチの途中で固まって、みどりを見る。
コケて倒れて、立ち上がろうとしているみどり。
みどり「(立ち上がりつつ、衣服の裾を引っ張って伸ばしたり、肘をさすったりする)ちょっと、ここ段差っ!なんでこんな段差っ!なんでこんなとこ段差っ!?もっとわりやすく段差っ!見えやすいとこに段差っ!」
※みどりの動きは全部決めておく。
みどりが顔をあげて志帆と目が合う。驚く志帆。
※みどりも再会を一瞬驚く。
●S10 イメージカット
●S11 カフェ
テーブルに並んで座っている志帆(上手)とみどり(下手、カバンは右側に置く)。
※位置関係では、本来であれば「客であるみどりは上手」だが、ロケ場所の都合上みどりは下手(手前の席)になる。
志帆は両手は膝の上で組み、背中を少し丸めて足もそろえている。ひきつった愛想笑い。
みどりは体を志帆の方に向け、左手は左ももの上、右腕は肘から下をテーブルの上に置いている、
みどり「やっぱり地球はもうダメだと思うの!南極(なんきょく)の氷が全部溶けたら世界の海面(かいめん)が60メートルもあがっちゃうんだよ!?身長(しんちょう)が150センチだと40人分の高さ、建物(たてもの)だと約20階分の高さだよ!砂漠(さばく)も広がってるでしょ!だからこれからは宇宙!(振り返ってカウンターの方を見て)あ、ジョイフル メドレー メリー クリーム ティー ラテくださーい。(志帆に向き直って)あ、おんなじのでいーよね。美味しんだから。(カウンターの方に振り返って)あ、もうひとつくださーい」
ひきつった愛想笑いで目線を右下に向ける志帆。
みどり「ねぇ、ちゃんと聞いてる?あなた営業でしょ?お星さまを売ってんでしょ?(テーブルの上のチラシを手に取って眺めて、また志帆を見ながら)人の話聞くのは基本のキでしょ?そんなんじゃ成績不振で、クビか左遷(させん)か降格(こうかく)か、ひどいことになっちゃうよ(チラシをまたテーブルの上に置いて=チラシの向きはみどりの体と逆に置く、カバンをあさって自分の会社のチラシを出す(クリアファイルに入った紫のもの)、両手で端(はし)をもって左鎖骨(ひだりさこつ)のあたりにかまえる)ねぇ!あたし保険屋なんだけど、入らない?お友達価格でお得にするから!今だけ初回限定98パーセントオフキャンペーンもやってるよ(両手でチラシを手渡す)」
※「ねぇ、ちゃんと聞いてる?」で志帆は視線をみどりへ
※チラシを見せられて驚く志帆
両手でチラシを受け取って目を落とす志帆→持ち方は他のチラシも含めてずっと両手
店員が飲み物を持ってきて、志帆とみどりの前に置く。
※店員の姿は映さないし「いない」ので、「いるように」芝居する。
タイミングは松井が指示する。
みどりは席を立って、志帆の隣に座り、飲み物を飲むみどり。
志帆N「(動く志帆を目で追う、隣に座るので驚く視線をチラシからみどりへ)・・・『なんで隣に座るぅ???』寂しがり屋さんですかこのヤロォ???あたしはどっちかってゆーとプライベートスペース広めにほしい人なんですけどぉぉ?
(正面向く、目線は下へ)
ってか、なんで営業しにきたあたしが逆に営業かけられてんだ?新しい営業スタイルですかぁ?いやいやいや!ってかアンタ!まさかあたしのこと忘れてんじゃねぇだろうなぁ!?あんたの部下だったこのアタシのことをよぉ!?こっちは死ぬまでも忘れねぇよ!アンタのしたことよぉ!証拠残さないでの会社のお金の使い込み!それで会社をつぶしかけて、バレてもフルシカト、最終的に退職金までもらって会社都合で退社!結局リストラされちゃったけど、残ったアタシたちがどれだけしんどい思いしたかぁ!忘れてねぇぞこのヤロウゥ!
お友達価格だぁあ?いつあんたとお友達になったんだぁ(ひきつった苦笑い)だいたいあんた、あたしのクライアントも成果も全部横取りしてたこともきっちりおぼえてんだぞぉ!」
※ここまで志帆のナレーション中のみどりの動きはまかせる=チラシを見る・相手を見る・飲み物を飲むなど
みどり「(飲み物を置いて、クリアファイルを志帆の手から奪い、『人生は挑戦!挑戦こそ人生!』の文字が目立つチラシを取り出して、志帆の方に向いて、突き出す=チラシはクリアファイルの上に添える=以降の受け渡しは基本的にファイルごと行う)これなんかいいと思うの。独身女性におすすめプラン。結婚する前から離婚に備えた弁護士費用もカバーしてんの。すごくない?(チラシを志帆に渡して、正面向いて後ろに身体を倒して椅子にもたれかかる。視線は左斜め上)はぁー。あたしもさー、けっこういい大学出て、いいとこ勤めたのに、主婦何年かやってて離婚して、いざ社会復帰したら、ブランクあるとか言ってどこも雇ってくんないの。(身体を元の位置に倒して、チラシを奪う、それを見ながら)何が女性活躍だよねー。女にばっか負担押し付けやがって(またチラシを渡してカップを持って飲み物を飲む)」
みどり「だからこんなノルマのある完全歩合(かんぜんぶあい)のハードな仕事やってんだけどさー。でもどうせならさ!
※言い終わったら志帆の方を向いて、カップを置いて、セリフ言いながら近づく)
宇宙に行けば不安なことだらけじゃん!?だから宇宙で保険屋やったらいーかと思って!隕石保険(いんせきほけん)ってのも考えたんだー!でも隕石(いんせき)当たったら宇宙のチリになっちゃうから誰にも保険金払わなくていいの!よくない?このアイディア?
(正面向いて飲み物を飲んでカップを置く=飲み物を飲むタイミングは厳密には指定はないが、つながりがおかしくなるので決めておく)そうそう!おたくから買うあの星、急に安くなってめっちゃお買い得だよね!あれ転売して元手(もとで)のお金作るの!(左肘をつく)チェックしててよかったわー」
※ここまでみどりのセリフ中の志帆の動きはまかせる=チラシを見る・相手を見るなど
志帆「(チラシを見ながら)・・・」
みどり「立ってカバンから申込用紙を持ってきて)あ、じゃあ申込用紙はこちら・・・(出して志帆の前に置く)手書きでごめんね。うちの会社古いんだよね(ペンを志帆の前に笑顔で突き出す)」
☓ ☓ ☓
志帆N「・・・(視線を書類→みどり→書類を見ながら)ゲスな人間にもたったひとつ羨ましいところがある。自分を信じて疑わないこと。他人が自分をどう思っているのか?自分の選択はこれでいいのか?わたしのような人間は迷ってばかり。ものごとが進んでしまっても、終わってしまっても、いつまでもグジグジと考えてしまう」
みどり「あ、もしかしてペン使うの久しぶり?だよねー。じゃああたしが支えてあげよっか(志帆にペンを持たせ、左手で志帆の左肩を抑え、右手で右手をつかんで無理やり書かせる)ホラホラ名前はここで、、、生年月日はここに、、、あれ!?今日誕生日なの!おめでとーう!誕生日に新しい一歩を踏み出すなんて運命!すごーい!やっぱ人生挑戦(ちょうせん)あるのみだよ!年取るとおっくうになるけどさ、自分を動かすのは足じゃなくて心なんだよね。・・・う!(8秒くらいお腹をおさえて苦しそうな表情)あ、ちょっとお手洗いに・・・(立ち上がって右手でお腹を抑えてトイレに行く)」
※志帆は記入を始めるタイミングでチラシをテーブルに置く
※申込用紙の記入欄の名前は『大島志帆』、誕生日は『2003/09/25』
※『やっぱ人生挑戦あるのみだよ!』で志帆は右腕に痛みを覚え、痛そうな表情
× × ×
またコケルみどり。
みどり「ちょっと、ここ段差っ!なんでこんな段差っ!なんでこんなとこ段差っ!?もっとわりやすく段差っ!見えやすいとこに段差をっ!・・・(ボソボソ言いながら立って歩きだす)」
志帆「(痛そうな顔で右手をさすりったりもみながら、みどりの後ろ姿を見送る)・・・」
× × ×
以下のみどりのセリフの箇所は、部屋からトイレに向かうまで。距離が足りないのでスローモーションにします。演じる人は普通にゆっくり歩いて、セリフの心情に合わせた表情にしてください。
みどりN「(歩きながら)やっべー、気づいてる?気づいてない?気づいてないよねぇ?気づいてないって言ってよぉ!そりゃあ昔はいろいろあったけどさ。しょーがないじゃん!あたしだって若かったんだから。手柄の横取りだって、当時はそういう微妙な人の心?処世術(しょせいじゅつ)?ってあんまりわかってなかったんだよぉ。だって学校で教えてくれなかったし!恨(うら)むなら坂本先生を恨めよぉ!ってか会社のお金を使い込んだのだって、成果に見合わない給料しか払わない会社に、とっても回りくどいやりかたで報酬(ほうしゅう)としてもらってたんだよぉ。それなのに一方的にこっちが悪いって悪役になって退職してあげたんだから、退職金もらうのだってあたりまえじゃん!会社がやばいから会社のこと考えて退職金あきらめろって?ふざけんなあの能無し副社長!そしたら誰があたしの人生のこと考えてくれんだよ!つごーのいいことばっか言ってんなよコネ入社がっ!あんたらのストレスで過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)なんてめっちゃ言いづらい病気になっちゃったんだろーが!メッチャトイレ近くなってんだろーが!こっちは自分だけを頼りに世の中渡ってるってのに!そう、もういーよ!あの女が昔のこと覚えてようが覚えてなかろーが、あたしは今の言葉胸張ってぶつけてやる!これがあたしの生きざまだよ!自分の正直な心を大事にして生きてるんだよあたしはー!」
× × ×
顔を正面に戻して軽くため息、ペンを置いてカップをみつめ(3秒)、両手で持って飲み物を飲む。顔をしかめて口元から離してカップを見つめる志帆。
志帆N「(カップを見ながら)前は甘いものが大好きだった。今は糖分が気になってあまり飲まない。そしてたまに飲むと甘すぎる。味は変わってないはずなのに、変わったと感じるのは自分が変わったからだ」
苦笑してカップをテーブルに置く志帆。前かがみで両腕を胸のあたりで組んで、テーブルの上に並べられた自分とみどりのチラシ『新しい世界に飛び出そう!』『人生は挑戦!挑戦こそ人生!』の文字を見て(左から右へ頭ごと動かして見る、また正面に戻ってきて)肩と鼻で大きく深呼吸。顔を上げる。
みどりの声の回想『あれ!?今日誕生日なの!おめでとーう!誕生日に新しい一歩を踏み出すなんて運命じゃない!すごーい!やっぱ人生挑戦あるのみだよ!』
頭を下げて、スマホをカバンから出して操作する志帆。画面は「土星系第99惑星J・F・セバスチャン星購入申込みフォーム」。
顔を正面に向け、目を左右に5回ずつ泳がせる(全部で10秒くらい)、目線をスマホに落として自分の情報を入力していく志帆。
志帆N「(入力しながら)性格で職業が決まってくる。めんどくさがりのあたしには、変化は要らない。それでも最近、そんな自分を変えたくなるのは、流れる時間が確実に自分の身体に影響を与えているからだ(最後の『購入する』ボタンで指を止める。)」
志帆N「(固まったまま)自分で商品を買って成績をとりつくろうことを自腹営業、または自爆営業っていう。あたしがこの星を買って自爆させたいのは、昔と、そして今の自分。終わらせないと始まらないこともある、ある?あるよね!ね!」
鼻から息を吸って口から息を出して大きく深呼吸。まばたき10回くらい。
人差し指を腕ごと大きく後ろにそらして3秒かたまって、ゆっくり購入ボタンを押す。
少し顔を上げて目線を前にして、またまばたき10回くらい。10秒固まる。
志帆N「(固まりつつ)・・・か、買ってしまった!星を!買ってしまったぁぁぁ!」
ハッとして、首をトイレの方に向け、ペン以外の荷物をあわててまとめる。
みどりの持ってきた契約書を裏返して『大変申し訳ございません。ご購入いただくはずでした星は、他の方が購入したため、売り切れとなりました。またのご利用をお待ちしております。本日は失礼させていただきます。』と書いて、急いでペンをカバンに入れて、立ち上がる志帆。
踏み出した足がもつれてこけそうになるがなんとか踏みとどまる(3秒くらいふんばった姿勢)。
早歩きで店を出ていく志帆。
志帆N「(誰もいなくなった空間に流れる)地球の重力は約9.81mメートル毎秒毎秒。その重さに魂と人生を縛られている。宇宙に行ったら、体も心も軽くなるだろうか?そんなの行ってみなきゃわかんない。じゃあいつ行くの?ずっと先延ばしてまた1歳トシをとった。行きたいときには自分の足で歩けなくなってるかも」
× × ×
戻ってくるみどり。座っていたテーブルが見えるところまで歩いて来て、志帆がいないことに『?』という表情。
テーブル前で立ち止まり、周りをキョロキョロ見回し(左→右→正面)、志帆がいた隣のイスに座る。
怖い表情で腕組みをして正面を見る(5秒くらい)、店の中をあちこち見る(5秒くらい、見る場所は任せるが決めておく)。
目線をテーブルに移すと、志帆のメモを見て驚いた表情、首を突き出し、メモを左手にとって
みどり「(メモを両手持って)『大変申し訳ございません。ご購入いただくはずでした星は、他の方が購入したため、売り切れとなりました。またのご利用をお待ちしております。
本日は失礼させていただきます。』!?へぇ~そうなんだ~まぁお買い得だったもんねぇ~(カメラ目線で)ってコォォラっ!!」
●S12 東京駅前
少し視線を下げて歩いている志帆。
志帆N「(駅に向かって歩きながら)地球に生命が生まれた確率は10の4万乗分の1くらいで、それはプールの中に腕時計の部品を投げ込んで、水の流れだけで時計が組み立てられるのと同じくらいの奇跡の確立らしい。それくらいの奇跡が今日のあたしに起きた。でもどんな奇跡も、ものにしなければ何もないのと同じだ。つかむのは自分の意思で手じゃない。歩くのは足じゃない、心なんだ。行きたいとさえ思えば、いつでもどこにでも行ける」
視線を上げ、少し笑って駅に向かって走り出す志帆の後ろ姿。頭上には流れ星が流れる。
了
✨星の終わりとハードボイルドネバーランド
●S1 行きかう人々(イメージカット)
●S2 道
スーツを着た宮子が、カバンを両手で前に抱きかかえ、早足で歩く。
宮子N「宇宙にはいろんな星がある、らしい。でも宇宙は真っ暗で何もない。そんなところにどうやって星が生まれるのか?それは超新星爆発ってのがカギ。星が爆発してできた物が集まってやがて星になる。つまり終わらせないと始まらない。きっと人生も同じだ」
十字路を右に曲がって壁伝いに立ち止まる。少し息切れ、額にはうっすら汗。両掌は壁に。
口は半開きで瞬きを5回して壁からゆっくり顔を出して、もと来た道に振り返る。
誰もいないので深呼吸。ゆっくり前に振り返ると(最初の体勢に)、頭上から大きな音がする。
見上げる。頭上に輝く太陽、その前を通過する宇宙船。
目を細めて宇宙船を見、頭を下げて前を見て(3秒歩き出す。
■タイトル『星の終わりとハードボイルドネバーランド』 バックは太陽
●S3 部屋の中
家具やダンボールが置き乱れた部屋。テーブル代わりのダンボールの上に、鍋に入ったトムヤムクンが置いてある。
入室する宮子、誰もいないので部屋の中を見渡す(右→左)。
『ううううう・・・』と苦しそうな声が聞こえてくる。
怯えた表情の宮子(少し口と目を開け、頭を右→左→右→左→右)。
カバンを強く抱える宮子。前屈で半歩後ろへ。
ティック「ぶはっ!(ダンボールから出てくる=仰向けで側面から頭から飛び出す)」
上半身を起こして両手と頭を上げて激しく深呼吸するティック。
宮子「・・・ちょっと!?何してんの!?ひとりかくれんぼですかこの・・・」
ティック「(立ち上がって宮子の横へ、両手はグーで首のあたり)税金だよ!住民税だよ!区役所だよぉ!取り立てにきやがったんだよこの貧乏人からよぉ。だからとっさに隠れて(ダンボールにまた入る)、(頭だけ出して)この中で一酸化炭素中毒になってたんだよぉ。空気がうまいよぉ(激しく深呼吸)」
宮子「(息を吐き出して)住民税って、ここ、あたらしら勝手に住んでるのに?」
ティック「(ダンボールから出ながら)そんなのどうでもいいんだよ!誰でもいいんだよ!絞りとれるとこから絞りとる!それがやつらのやり方よぉ!それであんたに教えてもらったフルシカト作戦やってみたんだよぉ(ペットボトルの水を渡す)」
上着を脱いで放り投げ、座る宮子。受け取って水を飲む。
ティック「火星人のフリしても良かったんだけどよぉ、いまいちだったらばれるからよぉ、安全策にしといたよぉ」
宮子「やってみ」
ティック「(首にチョップしながら)ワレワレカセイジンダ」
宮子「じゃあ金星人は?」
ティック「(首にチョップしながら)ワレワレキンセイジンダ」
宮子「)おんなじじゃねぇか!(ダンボールの上の書類を見て)あ、なんだよこれ書いとけっていったじゃん!締め切りすぎたら受け付けてくんないんだから!(水を置いて書類を書き出す)げ、もう出ないとやばいじゃん!」
ティック「(お椀にスープを少し入れて)そんな怒ったらだめだよぉ。お腹がすいてるとねぇ、怒りっぽくなるもんだよ(宮子に顔を向けて)」
無視して書き続ける宮子。
ティック「(宮子の横に立て膝で移動して)ちょっと!トムヤムクンだよトムヤムクン!あんたが食べたいっていうから、ホントはタイの料理なのに、ベトナム人のあたしが民族の違いを超えて作ってあげたんじゃないかさっ!なのにその態度はないよぉ。日本人も薄情になったもんだよぉ。やってもらって当たり前だと思ってるよぉ感謝足りないよぉ。こうなったらセルフだよぉ、他人をあてにしちゃ残酷なこの世界で生きてけないよぉ!いいよもうひとりで味わうよぉ。しょせん人は一人で生まれて一人で死んでいく哀しい生き物・・・(スープをなめる)って辛っら!うわ辛っら!めっちゃ辛いで自分!ってか暑っつ!こんなんベロが熱中症なってまうやん自分!辛っら!暑っつ!辛っら!これめっちゃ美容にええのと違うん?代謝が良うなるわぁ!かぁぁっら!」
宮子「(首だけティックを見て)うるさい!静かにしろよ!間違っちゃうだろ!」
ティック「・・・(書類を覗き込んで)火星移民申請書、今どき手書きなんてさすがお役所仕事だよぉ!ハンコはおじぎさせないとダメなのかよぉ?」
宮子「(また書き始めて)あれ?あんたの本籍地ってどこ?」
ティック「(またスープをなめる)大阪府大阪市東住吉区・・・じゃなくてえーとなんだっけ?(床に置いてあるスマホを持って見ながら)ベトナムホーチミン市3区6地区グエン・ディン・チウ通り2046番地」
宮子「長っ、、、ベトナム国ベトナム市ベトナム町でいっか。あれ、あんたのフルネームってなんだっけ?」
ティック「(またスープをなめる)田辺ゆい、じゃなくてティック・・・タム?チーだったっけ?だよ」
宮子「ティック・トック・ペー?」
ティック「ちゃうわドアホ全然ちゃう。だいたい100歩ゆずってティックトックはまだ許す、最後のペーが意味わからん!めっちゃ林家入ってるやん!」
宮子「(書きながら)めんどいからペーでいっか。短い方が覚えやすくて友達いっぱいできるかもよ?パー子さんとか」
ティック「そりゃええわーって!それ友達とちゃうやろが!かみさんやかみさんー!」
宮子「・・・」
ティック「突っ込めや自分!シカトすんなや自分!そうやって自分守っとんのわかるけど!?」
宮子「はい(書き終えて書類をまとめて)地球で最後のノリツッコミ、やりきった?あとはこの金で(カバンをあさって封筒を出す、その中から100万円の札束を半分くらい出す)、火星への片道切符を買えば、準備おしまい」
ティック「(お金に飛びついて)すっげー、今どきよくこんなに現金もってんな(お金を持って立ち上がって顔と両手を上に)地球に残るお年寄りの皆さん!私達が他の星で子孫をがっつりこさえて地球人の!日本人の血を絶やさないようにがんばるから!どうか許してね!」
宮子「(壁によりかかって)・・・あー・・・すげー疲れた。もしかしたら通報されてて、警官が待ってんじゃねーかとか、帰りに強盗あうんじゃねーかとか、精神的に疲れたー(お腹がなる)」
ティック「(しゃがんで)お腹すいたねー、ほら座って(宮子の体を前かがみに、自分は横に座る)金はできたし(テーブルに乗せる)書類も用意したし(テーブルに乗せる)出発のお祝いね、(レードルで混ぜる)このトムヤムクンでねっ!」
宮子がいきなり鍋にスプーンを突っ込んで食べだす。
ティック「ちょっと!まずはいただきますしてからやろ!?」
驚く宮子。
ティック「あと!直はあかんわー直は、お椀によそって・・・(よそいながら)まぁ『おばあちゃんワタシ!どうしよう!会社のお金落としちゃって今すぐ500万円必要なの!』なーんてド緊張する芝居の後じゃぁ、ちょっとおかしくなるのもわかるけどねっ!はいっ!(宮子の前にお椀を突き出す)」
宮子「(受け取って前に置き、視線を落とす)・・・そうじゃなくて」
ティック「え?」
宮子「あたし・・・人と鍋って食べたことなくてさー。そういうルールとかわかんないんだよね」
ティック「(自分のをよそって宮子を見ながら)そーいえば、刑務所ん中、盛り付け制だったしね」
宮子「(お椀を見ながら)刑務所入るまでは、菓子パンとかおにぎりとかばっか。だからおせちも刑務所で初めて食べたんだー。まぁ、あんまりうまいもんでもなかったけど」
ティック「(お椀を置いて宮子を抱きしめて)大丈夫だよぉ、ティックがこれから母として、姉として、妹として、おせちでも、土曜の丑の日のうなぎでも、なんでも作ってあげるよぉ!そして宮子を立派に育ててあげるよぉ 生き直すんだよぉ。あ、生き直すっていえば(後ろのダンボールをあさる)・・・(振り返って)今日、誕生日でしょ。おめでとう(プレゼントを両手で渡す)」
宮子「(受け取って両手で胸のあたりで持って見つめ)誕生日?今日じゃないけど?」
ティック「いいんだよ。あたしたちの新しい人生がはじまるのが今日なんだから!新しく生き直すんだよ!地球人じゃなくて!宇宙人として!」
宮子「(開けると髪を切るハサミが出てくる)え?ハサミ?(チョキチョキと顔の前で切るマネ)」
ティック「自分で前に言ってたじゃん『地球でも火星でも髪は伸びる。生きてるかぎり髪は切らなきゃいない。ロボットに髪切ってもらうより、人間にやってもらうほうが安心。だから床屋はどこでもやってける』って」
宮子「(視線を落とす)・・・そんなこと言ったっけ?」
ティック「あたしも切ってもらってたし。ハサミ一本あればどこでも商売できる。新しい世界で新しい商売、新しい一歩を応援します」
宮子「・・・お金なかったから、ずっと自分で切ってただけなんだけど・・・。誕生日プレゼントってホントにあるんだ・・・初めて、もらった・・・」
泣きそうな宮子。
ティック「・・・え?何?もう気配?気配で察する感じ?泣く?って泣てる???いいのよ泣いても、、、(宮子を抱きしめて)その涙が、あなたの心にこびりついたどす黒い汚れを洗い流してくれるのです。これからその暗い過去を振り切って、新しい世界で生きるのです!」
泣いている宮子をの頭を撫でるティック。
宮子「(ハサミを置いて床に落ちている割り箸を折って鼻の穴にツッコんで)な、なんか、ヤ、ヤバイやつ!(あ、痛ったー)」
ティック「・・・え?何?どした!自分!?何が起こったん今?」
宮子「お、お礼っていうか・・・なんか笑ったほうがいいかなって。こういうとき。明るいほうがいいかなって。あんたからいろいろ教わったっつーか、勝手に覚えたっつーか、なんか楽しそうな一発ギャグ」
ティック「・・・そんな身体張った一発ギャグやんなくていいから・・・しかも意味わからんし・・・ヤバイやつってなんでもいけるやんそれ。空気読めや!いや読んだ結果がこれか?読む、読むのは大事やな、つーか読み方!そうシチュエーションを考える!そもそも笑いっつのーはやな・・・」
インターホンが鳴る。
ティック・宮子「!?(ドアの方をみる)」
もう一度インターホンがなる。
ティック「また区役所かよぉ?」
宮子「だったらいいけど・・・もしかして警察につけられた?」
ティック「見てくる。いざとなったらベトナム語でごまかすよぉ、しゃべれねぇけどよぉ」
ティックは立ちあがってドノの方へ。後ろ姿を見つめる宮子。
☓ ☓ ☓
ドアの前。のぞき穴を塞ぐティック。
ティック「はわーい」
納税課「お忙しいところ失礼いたします!区役所の納税課のものなんですけれども」
ティック「うちはここに住んでませんよー」
保健課「お忙しいところ失礼いたします!国民健康保険課のものなんですけれども」
ティック「うちは病院行ってませんよー」
年金事務所「お忙しいところ失礼いたします!年金事務所のものなんですけれども」
ティック「うちは年金もらえませんよー(ゆっくり忍び足で部屋に戻る)」
☓ ☓ ☓
戻ってきて宮子の対面でかがむティック。
ティック「どうするよぉ住民税と健康保険と年金の黒い三連星のジェットストリームアタックだよぉ。払ったら火星行きの切符が買えなくなるよぉ。払わなかったらまた刑務所に逆戻りだよぉ」
宮子「・・・航空券代もギリだしね」
ティック「もうあたしらは地球人じゃないのになんで税金払うよぉ!?ワレワレハウチュウジンだよぉ」
宮子「・・・あ!それじゃん」
ティック「?」
☓ ☓ ☓
誰もいない部屋。2人が奇抜な服装で歩いてフレームイン(左:宮子、右:ティック)
宮子「(首にチョップしながら)ワレワレハウチュウジンダ」
ティック「なんでそんな宇宙人みたいな声でんだよぉ(首にチョップしながら)ワレワレハウチュウジンダ」
宮子「もうちょっと、こう上の方にあてて (首にチョップしながら)ワレワレハウチュウジンダ はい」
ティック「(首にチョップしながら)ワレワレハウチュウジンダって、ってか自分!絶対捕まるわー自分!こんなんごまかされへんわ自分ー」
宮子「そしたらシカト!あたしの必殺技、フルシカト!嫌なことは、知らない!!!なしなし!」
ティック「・・・(首にチョップしながら)ジャアシュッパツダ」
宮子「(首にチョップしながら)アタラシイジンセイニ・・・アリガトウ」
うなずくティック
宮子・ティック「ワレワレハウチュウジンダ(と言いながら外へ)」
ドアの開く音。
納税課の声「あ、お忙しいところ恐れ入ります。住民税の方をですね・・・」
宮子・ティックの声「ワレワレハウチュウジンダ、ワレワレハウチュウジンダ」
保険課の声「あ、お忙しいところ恐れ入ります。国民健康保険料をですね・・・」
宮子・ティックの声「ワレワレハウチュウジンダ、ワレワレハウチュウジンダ」
年金事務所の声「あ、ウチュウジンの方にもですね、国民年金をですね・・・」
宮子・ティックの声「ワレワレハウチュウジンダ、ワレワレハウチュウジンダ」
納税課・保険課・年金事務所の声「あ、あのー」
宮子・ティックの声「ワレワレハウチュウジンダ、ワレワレハウチュウジンダ」
●S4 イメージカット 街の風景
宮子N「宇宙にはいろんな星がある、らしい。でも宇宙は真っ暗で何もない。そんなところにどうやって星が生まれるのか?それは超新星爆発ってのがカギ。星が爆発してできた物が集まってやがて星になる。つまり終わらせないと始まらない。きっと人生も同じだ。今日で地球人はおしまい。次は何になるのかはまだわからない。でももう始めたんだ」
●S5 道
道を駆け抜ける宮子・ティック
了